妊娠率を高める
「栄養」の科学
「何を食べるか」は、卵子の質や排卵リズムに直結します。
ハーバード大学が1万8000人以上の女性を対象に行った大規模な研究から導き出された、「妊娠しやすい食事(Fertility Diet)」のルールを分かりやすく解説します。
妊娠力を高める食材・下げる食材
排卵障害による不妊のリスクは、食事内容を変えることで大幅に減らすことができるとされています。積極的に摂りたい食材と、避けるべき食材を知っておきましょう。
積極的に摂りたい食材
- 植物性タンパク質: 大豆製品(豆腐、納豆)、豆類など。動物性タンパク質の一部を植物性に置き換えることで排卵障害のリスクが低下します。
- 良質な脂質(不飽和脂肪酸): オリーブオイル、アボカド、ナッツ類。炎症を抑え、インスリン感受性を改善します。
- 低GIの炭水化物: 玄米、全粒粉パン、オートミール。血糖値の急上昇を防ぎ、ホルモンバランスを安定させます。
- フルファット(全乳)の乳製品: 1日1杯の全乳やフルファットヨーグルト。低脂肪乳製品は逆に排卵障害のリスクを高める可能性があります。
- 鉄分(植物性): ほうれん草、小松菜、かぼちゃなど。ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。
避けるべき食材
- トランス脂肪酸: マーガリン、ショートニング、一部の市販の焼き菓子やスナック菓子。排卵障害のリスクを著しく高めます。
- 精製された炭水化物(高GI): 白米、白いパン、砂糖を多く含むお菓子。血糖値を急上昇させ、インスリンの過剰分泌を招きます。
- 甘い清涼飲料水: 砂糖入りのジュースやソーダ。血糖値の乱れは排卵に悪影響を与えます。
- 過剰な動物性タンパク質: 特に赤身肉(牛肉、豚肉)の過剰摂取は控えめに。
今日からできる3つの食事改善
すべてを完璧にする必要はありません。まずは以下の3つのステップから、無理なく始めてみましょう。
ステップ1:主食を「茶色いもの」に変える
白米を玄米や雑穀米に、白いパンを全粒粉パンやライ麦パンに変更しましょう。食物繊維が豊富で、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
ステップ2:1日1食は「大豆製品」をメインに
お肉の代わりに、豆腐、納豆、豆乳などの植物性タンパク質を意識して摂りましょう。例えば、夕食のメインを肉料理から豆腐ハンバーグにするだけでも効果的です。
ステップ3:油は「オリーブオイル」を選ぶ
調理に使う油を、サラダ油からエキストラバージンオリーブオイルに変更しましょう。サラダのドレッシングも、市販のものではなくオリーブオイルと塩、レモン汁で作るのがおすすめです。
「食べる」ことは「育てる」こと
私たちの体は、食べたもので作られています。そして、これから迎える新しい命の「最初の環境」も、あなたの体がベースになります。
食事改善は、ストイックになりすぎるとストレスになってしまいます。
「週末は好きなものを食べる」「外食の時は気にしない」など、メリハリをつけながら、パートナーと一緒に楽しく美味しい「妊活ごはん」を続けていきましょう。
参考文献:
[1] Chavarro JE, et al. (2007). Diet and lifestyle in the prevention of ovulatory disorder infertility. Obstetrics & Gynecology.
[2] Gaskins AJ, Chavarro JE. (2018). Diet and fertility: a review. American Journal of Obstetrics and Gynecology.